大人の住まい選びに大切なポイントは?

▷case studyでご紹介しているH様は、リノベーションの際に掃除がラクで安全性が高いIHクッキングヒーターを選ばれました

 

まずは、50代以降の住み替えを考えたときの住まい選びで大切なポイントをご紹介します。totonoiが考えるポイントは「段差や温度差がない空間」「メンテナンスが少ない建物」「利便性が高い立地」「無理のない資金計画」です。

・段差がない:バリアフリー
多くの方が一番最初に思いつくのが、段差がない「バリアフリー」の住まいではないでしょうか。年齢を重ね、足腰が弱るとほんの少しの段差でもつまづきやすくなります。階段や玄関の上がり框、水回りなど家の中には至る所に段差があるもの。玄関までのアプローチに階段や段差がある戸建も多いですよね。手摺の設置や車椅子を使うことになった場合はどうかも確認しておきたいところです。

・温度差がない:ヒートショック対策
ヒートショックという言葉を聞いたことがある方も多いと思います。リビングなどで暖かく過ごし、浴室やトイレなど暖房がない場所に行った際の急激な温度差で血管が収縮し、心臓に負担がかかることで心筋梗塞などが起こりやすくなります。断熱性能の良し悪しや、セントラル空調や床暖房、浴室暖房などを利用することで住居内の温度差が出にくい住まいになっているか、あるいはリフォームで対応ができるのかをチェックしましょう。

・メンテナンスが少ない:住宅設備
生活をする中で、掃除や手入れが少ない住宅設備かどうか、チェックしてみましょう。例えばトイレ。最新のものは掃除回数が少なく済むよう、汚れがつきにくい形状になっていて、掃除のしやすさも30年前と比較すると格段に上がっています。キッチンではガスコンロよりIHクッキングヒーターの方が掃除のしやすさや安全性を考えるとおすすめです。日々の家事負担が少なくて済むと快適性が増しますよね。

・メンテナンスが少ない:エクステリア
戸建の場合、庭や外壁などのメンテナンス性もチェックしましょう。お花や草木が生き生きとした庭は手入れをすることも見ることも楽しいものですが、「自分で手入れができなくなった場合」をイメージしてみることも大切です。外壁や屋根などは雨漏り等の対策も含めてプロの手で補修や張り替えをする必要がありますので、耐用年数や工事の際の費用について確認しておくといいでしょう。

・メンテナンスが少ない:広さ
子どもが巣立った後の住まいのままでは広すぎる方が多いものです。今よりコンパクトな住まいにダウンサイジングすることで、日々の掃除やメンテナンスの負担を軽減させることができます。

・利便性が高い立地
大人世代にとっての利便性のポイントは「駅からの近さ」だけではありません。日常利用する店舗や病院への距離、できるだけ平坦な道のりで行けるかどうかも大切です。住まいを選ぶときは、日々の楽しさ+老後に動きやすいかどうかにも注目してみてください。

・無理のない資金計画
物件を購入する際にローンを組む場合、無理のないローンを組むことが大切です。詳しくは「#09 大人の住み替えのお金の話」でお伝えしていますので併せてご覧ください。

 

戸建?マンション?メリットデメリットを比較

では住み替えるとしたら、戸建てとマンション、どちらが良いのでしょうか?大人世代が安心して暮らしていくにはどのような住まいを選べば良いか、戸建てとマンション、双方のメリットとデメリットや住み替えに関する注意点を解説します。

戸建のメリット・デメリット

<メリット>

・建物の使い方や暮らし方の自由度が高い
例えばペットの飼育が自由にできることは、一戸建てならではの良さですよね。また、定期的なメンテナンスやリノベーション、建て替えが自分のタイミングで自由に行えることもメリットです。

・静かな環境で生活ができる
マンションと比べると上下左右に隣接する住戸がないことで、生活音や騒音への心配が少なく済みます。また、住宅地であれば静かな環境である場合が多いこともメリットです。

・土地を資産として残せる
建物が老朽化したとしても、土地を資産として使うことができます。お子さんが望む立地であれば継承もできます。

 

<デメリット>

・維持管理の負担
マンションと比較して家自体が広い場合が多いこと、外壁や庭やカーポートなどのエクステリアなど修繕やリフォームが必要になる範囲が広く、良好な生活環境を保つにはコストがかかりやすいです。また、専門知識がない中で、修繕すべき箇所をご自身で判断していく必要があることも負担になりがちです。

・段差が多い
階段の昇降は、身体的負担がかかります。平屋を選ぶのがベターですが、2階建てを選ぶ場合はゆくゆくは1階だけで生活が完結できる間取りの建物かどうか見極めるといいでしょう。

・古くなってから手放しにくい
条件にもよりますが、一般的にはいざ手放そうとしたときに手放しやすいのはマンションです。立地条件の良し悪しもありますが、戸建の場合は屋根や外壁等のメンテナンスが行われていないことが多く、購入時に注意が必要です。

・セキュリティ
戸建は、マンションに比べて空き巣被害件数が約3倍というデータ(*)があり、セキュリティ性が高くありません。

 

マンションのメリット・デメリット

<メリット>

・立地条件がよい物件が多い
「車がなくても生活がしやすいか」という視点で見ると、商業施設や大きな病院に行きやすい好条件の立地にはマンションが多くあります。これは物件を手放す際、買い手がつきやすいというメリットにもなります。

・バリアフリーの暮らしができる
マンションは平面に広がりがあるので、バリアフリーの生活がしやすく、またマンションの共用部にもスロープやエレベーターがあることが殆どです。

・維持管理に手間がかからない
マンションの共用部分については、毎月決まった金額の管理費と修繕積立金で運用していくため、手間がかかりません。また、かかる費用について見通しが立てやすいということも安心感があります。

 

<デメリット>

・生活音や騒音問題
上下左右の住戸と繋がっているため、コンクリートや配管と伝って生活音が響きやすくなっています。自分が気を遣うというのもありますし、周りからの音も気になるものです。上下左右にどのような世帯が暮らしているかも、気にかけたいところです。

・建物の管理や建て替えに際しての自由度が低い
手間がかからない分、管理規約のルールを守る必要があります。建替の際に自分のタイミングで行えないこともデメリットです。更に、いざ建替となった場合、持ち出し金が発生します。その金額が数千万単位で必要になる場合もあり、捻出が難しいことも。止むを得ず手放さなければならないケースもあることを覚えておきましょう。

 

いかがでしょうか。それぞれのメリット・デメリットは表裏一体。望むライフスタイルによってはここに挙げたデメリットも気にならないかもしれません。ご自身の場合はどうか? を当てはめて、じっくり考えてみてください。

 

自分たちが住まなくなったときの家の扱い方

終の棲家として選んでも、やがては旅立つ時が訪れます。空き家になっても維持管理はしなければならず、相続などで受け継ぐ人が管理をすることが多いようです。戸建の場合、空き家にかかる費用は固定資産税程度で、あとは庭の手入れなどの労力負担です。一方、マンションの場合は費用は固定資産税に加えてマンションの管理費と修繕積立金が月々数万円かかりますが、庭の手入れの必要はありません。いずれの場合も、負担であることには変わりなく、「自分たちが住まなくなった場合はどうするか」を早めに考えておくことが大切です。老人ホームに入居するにしても、亡くなって相続するにしても、受け継ぐ方が困らないよう、事前準備をしておくことは大切です。

 

まとめ

50代以上の大人世代になってからの住み替えは、戸建てとマンションのどちらがいいでしょう。その答えは一つではなく、それぞれのライフスタイルや価値観によります。人生100年時代の今、終の住処に住み替えた後に生活する期間は決して短くありません。年齢を重ねても安心して楽しく暮らせるよう、住み替えでは無理をせず、納得のいく物件を選びましょう。


*参考サイト:警視庁「住まいる防犯110番」