第四回のお題は「暮らしを彩る収納」

「収納」が叶えることは、「モノを整理整頓してしまう」だけではありません。「何かをしまう」収納を、「どんな場所」に、「どんな収納で」叶えるかによって、暮らしをぐっと楽しく心地よくすることができます。今回はそんな、日々の暮らしに楽しみを添える収納を計画した事例をご紹介します。

憧れのパントリーより、ライフスタイルにフィットした「ライブラリー」を選択

キッチンと玄関に間にあるライブラリースペースがある事例です。リノベーション計画当初、キッチンの横にパントリーを計画していましたが、よく考えると「自分たちは食材のストックはしない。それよりも本好きの妻のためのライブラリースペースがあった方がライフスタイルに合う」と気づき、キッチンから玄関側へ通り抜けできるライブラリーを作りました。「キッチンにはパントリー」というセオリーから脱して、自分たちのライフスタイルに必要なものを見極めた結果生まれた収納です。

「totonoi」グループサイト「EcoDeco」より
岡野邸

物がなくてスッキリ!小上がり収納になったリビングでヨガを楽しむ

55平米で4人暮らしのファミリーが快適に暮らすために、リビングは夜は寝床にもなる小上がりに。小上がり内は季節家電など、出し入れの少ないものの収納場所にし、日々使う布団類は、引き戸になった収納にしまいます。しっかりと収納をつくったことで物のないスペースが生まれ、ごろ寝をしたり趣味のヨガを楽しむ場所になっています。「見せる収納」はキッチン側に集約し、空間にメリハリがあるところもポイントです。

「totonoi」グループサイト「EcoDeco」より
M様邸@蒲田

「収納をつくらない」ことで「飾る」を楽しむ空間

「飾りたいから、収納は造り付けない」そんなオーダーをもとにつくった、趣味の骨董やアンティーク家具を飾って暮らす単身男性の住まいです。リビングには造り付けの収納をほとんど作らず、美術館のように「広くて白い壁」をつくることにこだわりました。ウォークインクローゼットをつくってベッドルームの壁面もすっきり、キッチンにも吊り戸棚をつけず、アンティーク家具を実用しながら美術品を飾っています。つい、「収納はたくさんないと」と考えてしまいがちですが、置きたいもの、飾りたいものを考えて、メリハリのある収納計画をしたいですね。

「totonoi」グループサイト「EcoDeco」より
K様邸@南青山

好きなものをそばに置く。自転車をリビングに収納した家

「お気に入りの自転車を眺めて暮らす」そんな自転車好きの憧れを叶えた事例です。こちらのお宅に暮らすご夫婦のご趣味は自転車でのツーリング。所有している4台のうち、日常使いの2台を玄関土間に収納し、2台をリビングに飾るように収納しています。当初は全て玄関に収納する計画でしたが、玄関にあるウォークインクローゼットとの広さの取り合いで、考え出されたのがリビングに収納するアイデアでした。リビングにある収納場所は、両脇の壁からくぼませてあるので、将来的にワークスペースにしたり、棚を置く場所にするなどライフスタイルに合わせて用途を変えることを見越しています。

「totonoi」グループサイト「EcoDeco」より
A様邸@茗荷谷

「キッチンを丸ごと収納」してホテルのような居心地を楽しむ

ご夫婦とお子さん二人の四人家族が住む家。「すっきりとしたホテルライクなインテリアが好き」というご夫妻は、「キッチン自体を収納してしまう」ことを選びました。壁付になったコンロや冷蔵庫などの生活感が出やすいものは、使う時だけ折れ戸を開き、使わないときは扉を閉めて隠しています。水栓があるカウンター側も壁側と同じ白とライトグレーを基調にして存在感がでないようにしました。整理収納や使い勝手だけでなく、「求める居心地」まで収納を工夫することで叶えられることを教えてくれる事例です。

「totonoi」グループサイト「EcoDeco」より
T様邸@品川