今の暮らしについて、「こんなものだろう」と思っていませんか?

今回は、住環境に関する満足度について。あなたは、今の住まいに満足していらっしゃいますか?同世代の方は、今の住まいにどのような思いを抱えているのでしょうか。60歳以上の方の住宅に対する意識について、こんな調査結果があります。

住宅に対する国民の意識
住宅・地域の環境の総合的な評価(60歳以上男女・国際比較)/ 単位:% )  

出典:「第7回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査(平成22年度)」(内閣府国土交通省)  

 

自分の住まいに対する満足度について、日本は「満足している」が33.3%、「まあ満足している」が49.0%。双方を合わせると82.3%となり、日本のシニア世代の住宅に対する満足度って、結構いいのね・・・と思われるかもしれません。

でも、同じ調査について欧米の結果を聞くと、驚かれるかもしれません。「満足している」という回答だけで、アメリカは74.9%、ドイツは78.1%、スウェーデンはおいては、なんと84.0%に達しています。スウェーデンは「まあ満足している」人の割合も合わせると98.4%とほぼ100%に近い結果となりました。

また地域の環境についての満足度調査では、日本は「満足している」が35.0%、「まあ満足している」の54.8%と合わせると89.8%となり、環境についても意外と満足度が高いことが伺えます。ちなみ海外でも、同じアジアの韓国は、日本と似たような傾向にあります。

リノベーションで住まいの満足度を高める

この結果を見て感じたのは、「地域の環境を変える」というのは一朝一夕にはできないことですが、リノベーションサービスを提供している私たちとしては、「大人世代の住まいに対する満足度を高める」という点では、もっと貢献できることがあるのでは、ということでした。

弊社で中古マンション購入からサポートを行い、オーダーメイドのフルリノベーションを行ったS様の実例をもとにお話させてください。

当時50代だったS様ご夫妻。それまでの暮らしにご不満があったわけではなかったのですが、賃貸マンション暮らしで、自分たちのライフスタイルにフィットしておらず、「ずっと住む家ではない」という思いをお持ちでした。そんな時、リノベーションされたご友人のお宅を訪れ、アートや家具にこだわり、暮らしを楽しんでいる様子を見てリノベーションの自由さを知り、憧れを持つようになったのだそうです。

100㎡超えの広い中古マンションを手に入れ、リノベーションしたS様邸。それまでは飾りきれていなかった手持ちのアートでしたが、リノベーションした現在の住まいは、ライティングを仕込んでアートを美しく飾ることができています。

もうひとつの趣味が読書だったS様ご夫妻。リビングからつながっている場所に、ライブラリーをつくりました。ここはご自宅ですから、お酒を相棒にしながら、本の世界に浸ることもできます。

これはリビングのテレビボードに設置された、携帯電話の充電ブース。少し凹みをもたせることで、遠くから見た時にすっきりとして見えます。設計を担当した建築家が、設計のスタート時にS様のご自宅を訪れたとき、他の場所はすっきりときれいにしていらっしゃるのに、充電機器類が居心地が悪そうに雑然と置かれている様子を見て、「S様はこういう暮らしがしたいわけではないんだろうな」と感じたそうです。ちょっとした工夫ですが、大正解。大きく間取りを変えるという以外にも、こういった細かな作業の積み重ねで、より暮らしへのフィット感が高まるのだと思います。

>casestudy
「ライブラリーのある家で過ごす 大人の時間」
(東京都世田谷区 S様)

「大人のリノベガイド」では、私たちtotonoiが「大人のリノベ」に込めた思いや、住まいづくりに役立つ情報などをお届けしていきたいと思っています。